ブログ

栽培方法、最新テクノロジー、村八分まで。農業のアレコレを学べるウェブメディアまとめ


農業に関する情報はどこで得たら良いのだろうか?
これまでは先輩農家の話や書籍、雑誌が主流だった。しかし、近年では農業のIT化の機運も相まり、インターネット上で農業情報を紹介するウェブメディアが増加してきている。
ウェブメディアの特色は内容のバラエティ性にある。ノウハウや技術を紹介する淡白なニュース記事だけでなく、最新のテクノロジーや農家の“想い”に寄り添った「読み物系」のメディアまで。切り口、ターゲットは多岐に渡る。
今回はゼロアグリ編集部から、メディアをはじめさまざまな農業に関する「情報源」を紹介する。今後のインターネットの活用に役立てていただければ幸いだ。

農林水産省「農業技術ポータルサイト」

農林水産省が提供する「農業技術ポータルサイト」では、水稲・小麦からはじまり10種類の作物の栽培方法・栽培技術が紹介されている。養液土耕や環境制御のような専門知識も得ることができる。農家の1年の動きから細かいポイントまで。新規就農者にとってはわかりやすく、就農者にとっては備忘録のような活用方法が期待できるだろう。


玉石混交のインターネットのなかで、農林水産省から発せられる情報は一次情報であり、多くのメディアも農水省をソースにニュースを発信している。情報の確実性が高い分、専門性も高く知識がないとややむずかしい場面があるかもしれない。

(農林水産省:農業技術ポータルサイトより)


なお、農林水産省のホームページからは最新の研究結果にアクセスできる「アグリサーチャー」や、資材比較サービス「AGUMIRU(アグミル)」など、農業におけるあらゆる面でのサポートが充実している。

JA全農「APPINES/AgriINFO」

APPINES/AgriINFO(アピネス/アグリインフォ)は農業共同組合(JA)が提供する有料会員制の総合情報サービス。気象情報や農業登録情報、害虫図鑑などの多岐に渡る基本情報を網羅しつつ、青果物市況や営農技術相談など「売るため」の情報に強みを持っている。

正会員は入会金5000円、月額500円で利用可能だ。

マイナビ農業

マイナビが提供する「マイナビ農業」のコンセプトは「寄合所」。最新の農業事情から農家へのインタビュー、プロダクトの紹介、イベントの開催など、情報のバラエティ性・網羅性に特色がある。「新規就農」ひとつとっても、行政の施策から新規就農者の成功事例の紹介まで、多角的に農業の「いま」を知ることができる。

また、漫画連載や動画など発信のチャネルを多く持っていることも特徴のひとつだ。肩の力を抜きながら、農業従事者でなくても楽しめる設計になっている。

AGRI JOURNAL

AGRI JOURNALのコンセプトは「次世代の農家を元気にしていく」。農業ITのノウハウ記事を中心に、生産者の声や「六次化」に向けた事例を紹介している。同メディアはフリーマガジンも発行
しており、次世代農業にむけたテクノロジー・取り組みを紹介している。

SMART AGRI

株式会社オプティムが運営するSMART AGRIのテーマは「スマート農業」だ。担い手の高齢化・人手不足が深刻となる昨今の解決策として、ITを用いた「スマート農業」を掲げ、日本国内での活動を中心にIT農業の先進事例を紹介。農業における「働き方改革」の展望を描いている。

できる.agri

株式会社ルートレックネットワークスが提供するメディア「できる.agri」の特徴は養液土耕のような生産領域から、クラウドファンディングのような情報発信まで、農家のIT活用を広く深く掘り下げている点だ。さらにIT農業の先進事例を紹介している一方で、農家の「想い」を大事にし、課題解決のストーリーを丁寧に伝える。

特に、個人事業主が多く“孤独”になってしまうこともおおくある農業。そんな“孤独”とどのように向き合い、解決していったのか。「読み物」のような筆致で紹介している。同じ作物であっても、農業のあり方は十人十色なのだと感じることのできるメディアだ。

NIPPON TABERU TIMES

数ある農業メディアのなかでも「NIPPON TABERU TIMES」は最も特徴的かつ“厚い”情報を届けているメディアと言えるだろう。同メディアの記事のほとんどは、農家・漁師がライターとなり書いたものだからだ。

また、多くのメディアが農業の「光」となる事例を紹介するなかで、NIPPON TABERU TIMESは「陰」を紹介するメディアでもある。最近では「村八分」をテーマに、狭いコミュニティ内での嫌がらせの記録を紹介している。
農業のキラキラした部分から、暗い影を落とす箇所まで。多くの人にとって知らなければならない「リアルな現状」を理解する上で欠かせないトピックが網羅されている。

まとめ

今回は7つのメディアを紹介したが、言うまでもなくインターネット上には数多くの農業メディアが存在している。IT・テクノロジーの進出が顕著な農業界において、これから「情報」は大きな価値を持ってくるであろう。ムラ社会での「自分流」が通用しない時代がやってくるのかもしれない。

特に最新の事例が知りたい場合は、海外の事例をチェックしてみてもいいかもしれない。特にテクノロジー領域では、質的にも量的にも日本をはるかに凌駕する情報を確認することができる。

また、今後は個人の情報発信も盛んになっていくことだろう。これまではブログで農業日誌を紹介する農家もいたが、最近では活動の場所をTwitterに移している。さらに、なかにはYouTubeで活動している農家も。

就農者だけでなく、非就農者まで。情報発信が増えるにつれて“幅”が広がり、エンタメ性は増していき、裾野は広がっていく。今後も、骨太でおもしろい情報発信をするメディアが登場することを期待したい。

出典・画像:
農林水産省,農業共同組合,マイナビ株式会社,AGRI JOURNAL,SMART AGRI,株式会社ルートレックネットワークス,NIPPON TABEL TIMES, かずさんチャンネル,modern farmer

タイトルとURLをコピーしました