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養液土耕栽培に必要な液肥混入器・点滴チューブの選び方


近年、多くの野菜・花卉農家などで導入・実用化されている点滴土耕栽培。土の良さを活用しながら養液栽培の施肥の考え方を取り入れた栽培方式で、効率的に増収や品質向上が期待できるのが魅力です。今回は、そんな点滴土耕に必要なツールのなかから、液肥混入器・点滴チューブの選び方をご紹介します。

養液土耕とは

養液土耕栽培とは、水と液体を混合して(液肥)として点滴チューブを通して土壌に供給する栽培方法のこと。土壌が持つ本来の良さを活かしながら、養液栽培の手法を取り入れる手法です。

以前にこちらの記事でもご紹介していますので、併せてご覧ください。
参考記事:効率化の大きな助けに。養液土耕栽培システムの展望

点滴チューブで少量の水をポタポタと落とすこの手法は、慣行栽培より植物にストレスなく給水することが可能。定植直後の苗にストレスをかけず、水・酸素・肥料をバランスよく与えることができます。これにより、活性の高い根が発生します。必要最低限の水・肥料の量で収量・品質の向上を図ることができるのです。

根域以外には潅水しないのも養液土耕栽培の大きなメリットの1つ。無駄な領域に液肥を与えないため、雑草の発生を抑えられ除草作業が軽減されます。また、必要最低限の水分のみを供給するためハウス内の湿度も低く抑えることができ、病気の発生が少なくなり防除作業を最小限にすることができるようになります。

液肥混入器の代表的なメーカーをご紹介

養液土耕に必要不可欠なツールといえば液肥混入器。液体肥料を250-2000倍の濃度に希釈し、点滴チューブを通じて農場全体に送り出す。養液土耕における心臓部と言えます。

代表的な液体肥料はOATハウス1号、2号、住友液肥、トミー液肥、イノチオリパリなど。使用法は以下の動画をご参照ください。

以下が代表的なメーカーです。(画像はモノタロウより)

サンホープ ドサトロン 

  • 分解・組み立てが簡易的におこなえる点が特徴
  • 87,900~209,000円

ネタフィム ミックスライト

  • 希釈倍率:0.1-1倍
  • 59,800円

住友化学農業資材 スミチャージ

  • スミチャージN40の適正流量範囲は30~300L/分、液肥吸入量は0~2L/分
  • スミチャージN50の適正流量範囲は100~600L/分、液肥吸入量は0~5L/分
  • 42,100円

点滴チューブ、選び方のコツ

液肥混入器だけでは養液土耕は成立しません。液肥混入器が心臓なら、血液を全身に送るのに血管が必要。その血管の役割を果たしてくれるのが点滴チューブです。

ひとことに“チューブ”といっても、厚さや機能まで種類はさまざま。各メーカーがそれぞれの特性を活かし、優位性を競っています。では、そのなかで最適解を選ぶには。1999年の雑誌『農業経営者』より、点滴チューブの選び方のヒントになる記述がありました。

(前略)平地で点滴チューブを使用する場面は、養液土耕や養液栽培での利用が多いと思います。平地では、傾斜地ほどの圧力差が生じにくいため、比較的安価なタイプを選択できます。(中略)また、あまりにも肉厚が薄い物や精度の低いチューブを選ぶと、チューブの裂け等が頻繁におこるために、栽培の失敗を生じます。なお、ノズル性能の低いタイプは詰まり安いため、使い捨てと考えて1作から2作ごとに交換することをお勧めします。

(中略)色々な産地を見て歩くと、平地の施設園芸でも必要以上の性能のチューブを使用している例を良く見かけます。確かにロークラスのチューブよりも、ノズルの詰まりが起こりにくいかもしれませんが、コスト面から考えると問題があるとしか思えません。同一メーカでも様々なタイプのチューブが製造されているのは、用途に応じた選択が出来るようになっているためと思われます。自分の選択したチューブは用途にあっているのかどうか、いま一度考えてみるべきでしょう。『農業経営者』1999年7月号より

ポイントとして挙げられているのは平地で点滴チューブを使用する場合は比較的安価なタイプを選択できるが詰まりやすいため使い捨てと考えて1作から2作ごとに交換すると良いという点です。

まとめ:まずは「自分の農地」を知ることが大切

以上の記事は平地でのハウス栽培を想定したものですが、〈屋外・屋内〉〈傾斜地・平地〉など、条件が変化すれば、適したチューブも変化していきます。

液肥混入器しかり、点滴チューブしかり。各メーカーは細分化されたニーズに答えるべく、日々商品開発に励んでいます。

ルートレック・ネットワークスでも養液土耕を自動化するシステム「ゼロアグリ」を開発・提供していますが、点滴チューブに関してはイスラエル企業ネタフィムと提携して、高品質な製品をご提供することに努めています。

適切な機材を選ぶには、まず自らの状況を知ること。自分の農地に最適化された機材は何かを知ることが一番のコツですね。

 
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