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ゼロアグリがイチゴ高設栽培(養液栽培)の潅水施肥管理に対応!潅水量・排液量の低減を実現


イチゴ栽培でのゼロアグリユーザーが増えています。イチゴの高設栽培ではヤシガラなどの有機質培地を用い、排液率(培養液供給量に対する排液量の割合)も多い場合には50%程度と高めになるケースがみられます。ゼロアグリでは、従来の土壌水分センサーを用いる潅水制御方法に加え、排液量を計測し排液率をコントロールする方法を新たに実装いたしました。この方法により排液量が少なく環境負荷の低い養液管理を実現されました。

イチゴの高設栽培のベンチや培地、潅水についての解説記事はこちら

新しい潅水制御方法の特徴

高設栽培での新しい潅水制御方法では排液率を指標としており、そのために排液量の計測を行っています。計測する代表的なベッドを決め、排液を集水し流量計によりそのベッド全体の排液量をリアルタイムで計測を行っています。同時に計測している培養液供給量と合わせ一定時間内(通常は1時間内)の排液率を求め、排液率が設定値に近づくような潅水制御をゼロアグリが行います。

 

 

潅水量は基本的に日射比例で調整されますが、排液率が設定値より上昇しないよう前回の潅水後の排液率などを参照、学習しながらゼロアグリが調整を行います


既存のイチゴ高設栽培向けの潅水制御装置の多くは日射比例制御方式でした。有機質培地を使用する場合に排液の抜けが良いため、潅水不足とならないように多目に潅水が行われる傾向となっていました。ゼロアグリでは排液量の計測によって、その点の改善を図り、イチゴが本来必要とする潅水量を与える仕組みとなっています

イチゴ高設栽培での導入事例

神奈川県川崎市の農業生産法人である(株)カルナエスト様では、農業の6次産業化を目指し9代目園主である山田貢様が100種類以上の多品目栽培、レストラン、醸造所などの経営を展開されています。イチゴ栽培も環境制御型のハウス(3a、エフクリーン梨地展張、環境制御装置・細霧冷房装置等設置)にて令和元年より開始、初作では紅ほっぺ、おいしいベリーを栽培されました。

 

イチゴ栽培の経験が無かった山田様は、レストランなど他の業務を行う中で、栽培管理の自動化省力化を極力行いたいお考えで、ゼロアグリを当初から導入されています。令和元年の栽培では定植から3月までは従来の土壌水分センサーを用いた潅水制御を行われていました。4月12日より新たに排液率による潅水制御方式を導入し、その後の排液率は平均で32%程度となっています。それ以前の排液量や排液率のデータはありませんが、培養液供給量をみると4月12日の前後で大幅に低減されています。

株式会社カルナエスト

 

排液流量計
排液流量計
高設ベンチと排液流量計

今後の展開について

潅水量と排液量を低減することで、肥料使用量も削減されました。このことより環境負荷と生産コストの双方を低減する方法として、今後のイチゴ高設栽培の注目技術として期待されます。

また今回はイチゴ高設栽培という養液栽培の一ジャンルで、排液流量をもとにした制御を実現したゼロアグリの初めての事例となりました。今後は他の作物の養液栽培へも展開も期待されます

※ゼロアグリの使用環境として高設栽培で用いる培地の特性(保水性や排水性)を考慮する必要があります。

 

→排液流量の計測と制御についての記事はこちら

「養液栽培や隔離栽培における排液量の計測と制御」

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