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ハウス栽培における省力化・自動化ツールまとめ


高齢化、人手不足が深刻になってきている農業において、効率的に栽培をしていくためには、ITツールや自動化装置の活用が必須になってきています。比較的野菜の単価が高く収益化しやすいハウス栽培において、活用できる省力化ツールについてまとめました。

 

自動環境制御装置

ハウス栽培において、気温や湿度、光や二酸化炭素などを、作物が育ちやすい最適な環境に保つ管理作業はとても重要です。これらを制御するために、ハウス栽培においては、換気窓(天窓や側窓)、カーテン、循環扇、暖房、CO2発生器などを調整しながら、栽培管理を行います。

すべて手動で管理することも可能ですが、自動制御装置を導入することで、省力化が可能になります。自動制御の方法は、大きく分けて2つで、タイマーで設定し制御を行うタイプと、設置したセンサーの情報(温度や湿度、日射量など)を元に自動制御を行うタイプがあります。また、各装置を単体で自動化するものもあれば、「統合環境制御」と呼ばれる複数の装置を統合的に管理するものもあります。

 

【留意点】

・ハウスの形態によっても、活用できる装置は変わってきます。例えば統合環境制御装置であれば、単棟ハウスではなく連棟ハウスの方がコスト対効果が高いなど、自らの圃場にあった仕組みを導入する必要があります。

・気温が〇度になったら○○する、といった設定自体は、作物の生育を確認しながら調整していく必要があります。

・制御レベルが上がれば上がるほどコストは増加しますので、導入によりどれだけ売上が確保できるかというシミュレーションをした上での検討をおすすめいたします。

 

画像タイトル(無いなら削除)ハウス内環境と制御機器

自動潅水装置

作物が成長するにあたって必要な水を自動供給する装置です。種類としては、タイマーで潅水時間を設定し自動化するタイマー式と、日射量を元に潅水量を変化させる日射比例式、更には日射量と土壌水分量を元に必要な水分量をAIが判断するゼロアグリ式があります。(※これらの比較については、また別途記事を作成いたします)

ゼロアグリは、水に液肥を溶かした培養液を点滴チューブを通して供給する、養液栽培という方法を活用しています。

 

参考記事:ハウス栽培における潅水の方法について

点滴チューブを活用した潅水の様子

収穫ロボット

収穫は栽培における作業の中でも、最も労力を使う作業になります。特に、イチゴやキュウリなど収穫のタイミングに敏感な作物に関しては、収穫時期には多くの労力を要します。現状人海戦術で対応している農家がほとんどですが、大学から民間のベンチャー企業まで、様々な機関が自動収穫ロボットの開発に取り組んでおり、活用の兆しも見えてきています。

 

参考記事

 

最近では収穫量に応じた月額課金の支払いなど、現場の農家が導入しやすいビジネスモデルも登場してきました。収穫ロボットが実用化レベルになれば、農業の働き方を大きく変えることになりますので、今後の展開に期待です。

ゼロアグリ活用による、省力化効果の声

AIを活用した自動潅水装置のゼロアグリは、これまで経験と勘で行ってきた潅水の量やタイミングも、センサ情報を元に自動で判断し、供給することが可能です(作物の種類や生育ステージに合わせ微調整は必要)。

そのため、日々の労力だけではなく、農家の精神的な負担も軽減することが可能です。以下、実際導入した農家の皆様からいただいた声です。

 

「寝る時間が2時間早くなった」 (福島県/花き生産者)

「休みの日に朝6時に起きて現場担当に潅水量の指示をしていたが、いつでも状況が確認できるので、楽になった。外出もしやすくなった」(群馬県/キュウリ JA職員)

「ゼロアグリを入れる前はストップウォッチを持って、毎回何秒流す、と決めて潅水をしていた。潅水にかける時間も減ったし、自分自身のストレスがなくなった」(佐賀県/キュウリ生産者)

「水の管理を任せることが出来るので、畑が家より離れている人にはお薦め。水の管理を任せる事で、違う仕事が出来たりと効率的です」(広島県/トマト生産者)

スマホから簡単に潅水調整が可能

ゼロアグリについて詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

まとめ

今後の活用が期待されるハウス栽培の省力化ツール。自身の経営、栽培課題と照らし合わせて、必要なものは積極的に取り入れていきたいですね。また、忘れてはいけないのは、作物の生育や様子を見る「目」は、今のところ人間が1番ということ。センサーや画像認識などの技術も日々進化していますが、人間の仕事と機械をうまく使い分けながら、活用していくことをおすすめします。
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