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つづく農園様(茨城県常陸大宮市・イチゴ)|「スマート農業システムをより身近に使えるものに」土づくりや有機栽培へのこだわりと次世代につなげる農業への思い

所在地:茨城県常陸大宮市

栽培作物:イチゴ

規模:農場全体32a(ハウス12連棟+3連棟)

経営体:家族2名+パート6名

ー自己紹介お願いします!

元々東京でサラリーマンをやっていたのですが、17年前にこの常陸大宮市に移住して、就農してからは16年目となります。

最初はブルーベリーの摘み取り園をやろうとしていたんですが、ブルーベリーだと収入を得るまでに5年くらいかかることがわかって。当時農業に関していろんなことを教えてくれる方がいたのですが、その方にイチゴであれば、1年間しっかり研修することで2年目の秋から収入を得ることができるよ、と言われて、イチゴ栽培を始めました。それで実際イチゴを始めたのは良いんですが、実際忙しすぎて他のものに手をかける暇がないまま、結局イチゴ一本でいまもやっています。

 

イチゴ栽培の技術を手にするのに毎年苦労してここまできました。毎朝イチゴの木を見て、今日はどうしたらいいかなと考えています。イチゴが話してくれればいいんだけど、と思いますが、できることは最大限やっています。





ー直売所も併設されているんですね!

はい、今の売り先は、7,8割が直売所になっています。

最初は市場出荷を中心にやっていたんですが、、だんだん直売に寄っていきました。元々ブルーベリーの摘み取り園をやりたいという思いと一緒で、お客様と直接コミュニケーションしたいという思いがあったのと、農業をやるにしても子育てするために収入の面でサラリーマンと同じくらい稼ぎたい、という思いがありました。

 

お客様とのやりとりは大変ですが、イチゴを買ったお客様が美味しいと言ってくれて、その声を広めてくれて、支えられています。色々試行錯誤している中で、イチゴの品種は今7品種育てています。

ーゼロアグリを知ったきっかけについて教えてください。

スマート農業に関する国の実証実験に協力することになって、そのときに「ゼロアグリいかがですか?」と言われたのがきっかけです。国内の農家は、中小規模の農家が7割なので、低価格で使えるスマート農業システムをうまく活用したい、という思いがあって、手をあげました。

 

通常の慣行栽培区とスマート農業区(10a)があり、スマート農業区ではゼロアグリの他に、CO2、自動換気もやっています。地上部の環境制御の方も高額な仕組みではなく、手作りで活用できるものを使っています。

ーゼロアグリをいれて良かったことを教えてください。

毎朝イチゴの苗を見て歩くのがルーティンになっているのですが、繁忙期になるとその時間もなかなかとれなくなるのが実情です。お店を開けるまで、収穫をして、水やりをして、イチゴを見て、とたくさんやることがあります。パートさんが8時にくるのですが、どこに手入れに入るのかなどの計画を含めてパートさんの仕事の準備もありますし、出荷や販売の準備もあります。そんな中、水やりは1回かけるのに1時間半ほどかかっていました。その水やりの時間が短縮できたので、イチゴを見る時間をきちんととれるようになりました。

そのおかげで、正しく状況判断することができています。

ーゼロアグリをいれて最初苦労はありましたか?

ゼロアグリを最初いれたときは、自分の水やりの感覚の方が正しいと思っていましたし、あんまり信用していませんでした。同時に、負けたくないとも思っていました。

ただ、水が出てくるチューブを1時間ごとにチェックして、ちゃんと水が出ていることを確認して、少しずつ信用していくことができました。

元々はマニュアルで設定していましたが、いまはオートでやっています。

設置されたゼロアグリ

ー肥料のコントロールについてはいかがですか?

毎年作の切り替え時期に土壌消毒をして、そのときに堆肥と米糠を入れて、土作りにはこだわってやっています。

ゼロアグリをいれているエリアではppmを設定して自動で施肥をしていますが、慣行区では週に1回、追肥で有機の液肥をいれています。

 

ゼロアグリをいれて、数字の振り返りができるようになったのは良かった点だと思います。イチゴの出来がよかったときの水かけの量とEC値見て振り返ったり、これまで感覚に頼っていたものが数値で見れるので、より再現性のある学びにつながります。

 

実際肥料の量で悩むことも多いですが、振り返りをして過去の経験を活かしやすくなりました。

 

ーゼロアグリをいれて、収量や品質の違いはありますか?

去年の実績でいうと、慣行区と比較してゼロアグリをいれているスマート農業区の方の収量が多かったです。量というより実が大きかったという感じなのですが、スマート農業区は10aあたり6tで、慣行区の方は10aあたり5.4tでした。

糖度も定期的に測っていて、12月の計測値でいうと慣行区は糖度13、スマート農業区は11でした。

ーゼロアグリへの要望や期待していることはありますか?

いくつかあります。まず、部品が壊れることもあるので、制御盤だけじゃなくて部品も一緒に販売してくれると嬉しいです。また、過去の潅水量や施肥量を振り返ることができるのは良いのですが、合わせてその時の天気だったり、昨年の設定値も見れると振り返りやすいので良いなと思います。

あとは、やっぱり設定値に悩むことはまだまだ多いので、ゼロアグリ使っている他のユーザーさんの設定値、履歴の参考値を見れると良いなと思います。例えばイチゴの生産者の平均的なデータを公表するとか、認定ユーザーさんのデータを公開してもらうとかもありだと思います。

 

イチゴ栽培をこれから始めるという人も多いと思います。実際、この地域も僕が始めたころは4軒しかイチゴ生産者がいませんでしたが、今は10軒になっていて、うち8軒は新規就農者の方です。そういう人が失敗しないための1つのツールとしてあると良いなと思うので、そのために手軽に使えるようなツールとして様々な機能を開発していってもらえればと思います。



ーつづく農園さんの今後のお取り組みの目標はありますか?

今までもそうでしたが、これからも僕の中では土にこだわって、高設にはできない味づくりを極めていきたいと思っています。実際常陸大宮市では、有機農家を支援していこうという動きもあります。たとえ同じ品種だったとしても、生産者が違えば味は違いますし、どこの産地の誰が生産したのか、ということにこだわって、消費者の目もそういったところに向くようになっていくといいなと思います。

 

ゼロアグリは、土耕栽培に向けた仕組みなので、土づくりとのバランスがとれる機械だとも思っています。ゼロアグリのような仕組みを使って省力化をしつつ、これからもお客様に喜んでもらえるイチゴを作っていきたいです。

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