所在地:栃木県佐野市
栽培作物:大玉トマト、ミニトマト
作型:8月定植、周年栽培
規模:農場全体44a(うち26aのハウスにゼロアグリを導入)
経営体:家族経営+パートさん
ー自己紹介をお願いします!
就農してから14年目です。ミニトマトとトマトを栽培しています。ミニトマトに関しては、自分で育苗していて8月15日から苗仕立ての準備が始まります。大玉トマトは、苗屋さんから苗を買って、9月7日前後に定植をしています。
元々実家がトマト栽培をしていて、どうしても親元就農ということもあって甘えがあったのですが、自分で真剣に取り組むようになってからは、まだ3、4年というところです。
真剣にやるようになって、肥料の種類やいろんなことの見直しを行ったのですが、そこで改めて潅水の大事さに気づいて、ゼロアグリに辿り着きました。ゼロアグリは、今いれて2年目です。
ーゼロアグリをいれる前はどのように潅水をやっていたのですか?
栄養成長期については手潅水でやっていて、トマトが肥大をし始めると、1分間に何百リッターも出るような地上ポンプを活用して、木の姿を見ながら自分の感覚で調整をしながら潅水をやっていました。
本当にポンプの前に行って、どれくらい水が出たか確認をして、これくらいで良いかなというので止めて、というのをやってました。でも人間の感覚だから、ばらつきもあるし、とれるものもとれなかったりして、課題は感じていました。
ーゼロアグリを知ったきっかけは何ですか?
さっきの話の続きになりますが。トマトって後になってくると水分量がとても重要になってくるんですよ。自分で調整をしていると、やっぱりそれなりのものでそれなりの品質になってしまいますし、潅水にかけている時間等も考えると、やっぱり自動潅水のような仕組みがあると良いなと思いました。
最初は、日射比例という項目で潅水設備を探していたのですが、ゼロアグリを見つけて、日射センサー+土壌水分で制御できるというところが魅力的でした。
あと、「農業に休日を」というキャッチフレーズも良いなと思いました。
同じタイミングで、ナノバブルを導入しないか、という話もあったのですが、まずは潅水施肥コントロールができてからのナノバブルかなと思って、ゼロアグリをいれました。
ちょうど栃木県がやっていた産地パワーアップ事業というものを活用して、ハウスを新設して、ゼロアグリも設置をしました。
ー一緒にやっているお父様からの反対などはなかったのでしょうか?
父の考え方としては「いかに手をかけずにトマトをとるか」ということで、限られた人数を中でやっていくための経費を抑える手法はこれまでの経験を元によく考えられてはいるんですが、私としては良いものをとるための費用だったら惜しまずに投資したいと思っています。そこの考え方の違いで喧嘩にもなるんですが、ある程度任せてもらっているのもあり、説得をしました。
良いものを作る技術があってもうこれ以上収入が伸びないとわかっていたら、あとは経費を抑えるしかないですが、私としてはまだまだもっと良いものを作れると思っているので、まだやれることはたくさんあると思っています。
ーゼロアグリを実際にいれて苦労したことはありますか?
ゼロアグリをいれて最初の1作目は、担当の方のアドバイスを元に元肥を入れずに栽培をしたのですが、初めてだったこともあり少し生育が難しかった部分がありました。2作目については、元肥もいれて、ゼロアグリで自動潅水施肥もやって、ハイブリッドでやっています。トマトの木姿を見ながら調整もしていて、今作についてはうまく栽培できています。
ーゼロアグリの周辺設備について教えてください。
1作目に関しては元々あった地上ポンプとゼロアグリを連携して使っていたのですが、ゼロアグリが流量を検知しないとストップしてしまうというのもあり、今作から家庭用の定圧ポンプに切り替えを行いました。
1作目は上記の理由もあって、ゼロアグリのオート機能がうまく使えなかったのですが、今作からはやっとオート機能が使えるようになって便利になりました。
また、ハウスの中で南の方だと温度が高かったり日射量が多かったりするので、どうしても木姿や育ち方が変わってくることがあります。いまこの26aのハウスに土壌センサーは3本挿しているのですが、それぞれのセンサーの土壌水分量を見て、系統ごとに制御をしています。ハウスの中間室の影響で、日照時間の短いエリアがあるのですが、ここに挿しているセンサーの水分量は、やっぱり高く値が出るんですよね。
いま大玉トマトとミニトマトで同じ土壌で栽培をしていて、本来は別の管理でやった方が良いと思うんですが、ゼロアグリのセンサーを使い分けることによって水分制御を変えることができているので、便利ですね。
ーゼロアグリの設定はどのように調整していますか?
施肥の濃度は試行錯誤で変えて様子を見ています。一時的な数値としては上がったり下がったりすると思うんですが、どれくらいの量の肥料を上げれば何週間後に反映するかとか、ちゃんとトマトが成長するような量の栄養をあげられているかどうかだったりを考慮して、調整していかないといけないと思っています。
1年目はなかなかうまくいかなかったんですが、2年目は少しわかってきた部分もあるという感じです。
ーゼロアグリをいれて1番良かったことを教えてください。
やはりトマトのきちんと品質をあげていこうと思ったら、潅水を細かくやったりある程度時間をかけないといけないと思っています。かつ、トマトを長期でとっていくというという観点でも、潅水調整は絶対必要なものだと思っています。その目指す品質に対しての自分の手間というのが圧倒的になくなるのが1番の魅力だと思います。
また、天気や土壌の状態によっても必要水分量は変わると思うので、それを自動で調整してくれるところはやはり他の製品にない魅力ですね。
ー品質や収量への影響はありましたか?
ゼロアグリをいれて、割れや出荷不可の裂皮がほぼなくなりました。
また、省力化ができたので、(もちろん販売努力の面もありますが)ミニトマトも今年40本株を増やして栽培することができました。
ー売り先はどのようなところに販売されているのですか?
直売所や道の駅、近隣スーパー、アグリタウン(佐野の観光農園)で販売をしています。
大玉トマトは市場出荷が8割です。残りについては近隣スーパーに、ミニトマトと一緒に販売をしています。
ミニトマトは部会がないので、作ったら作った分だけ好きなように売ることができ、自分でパッケージを作ったりロゴを作ったりして販売をしています。あとはいろんな品種にチャレンジしていて、赤が2品種で、黄色も2品種(プラム型と丸型)、オレンジ、紫等含めて8品種やっています。それらを詰め合わせて販売をしています。
ートマト栽培に関して、今後の目標はありますか?
今作を通して栽培をして、ゼロアグリのオート機能を駆使して味を良くしていくということをまずは取り組みたいと思います。
ミニトマトは色んな品種の栽培をしている中で、例えば紫やオレンジの品種で見た目は良くても味が美味しいトマトは現状あまりないので、そこの味を良くしていきたいという思いはありますね。
また、現状設備としてはゼロアグリとCO2くらいしか入れられていないですが、今後はさ細霧冷房を導入し、環境制御技術を駆使して、より良い品質のトマトを作っていきたいと思っています。