導入事例

三浦農園(大阪府・水ナス)|祖父から叩き込まれたきめ細かい水やりをICTを駆使して実現。

設置場所

所在地  大阪府泉佐野市 
栽培作物 水ナス
規模   15a(導入圃場)

三浦農園は、大阪府南部の関西国際空港にほど近い泉佐野市で江戸時代から100年以上、代々農業をされています。天王寺蕪(かぶら)、金時人参(きんときにんじん)など大阪独自の品目である『なにわの伝統野菜』をはじめ、数十種類の品目を栽培されており、ゼロアグリはその中でもメイン品目となる『泉州水ナス』でお使いいただいています。

―まずは三浦農園の水ナスについて教えてください。
当園の水ナスは『大阪エコ農産物』-農薬や化学肥料の使用を通常の半分以下に抑えて栽培された大阪府が認証する農産物。いわゆる特栽で作っています。

肥料は、元肥はすべて有機で、農薬は基準上は半分以下とありますが化学合成農薬はほぼかけていません。使うとしても天敵昆虫や微生物農薬が中心で最後のほうで少しかけるくらいです。

味はフルーツみたいに甘いと評判でミシュランの星付きレストラン、百貨店、高級料亭など様々なところで扱っていただいています。水ナスは漬物にすることが多いですが、三浦農園の水ナスはぜひ生で食べてほしいと言ってます。

 

―環境制御に興味を持ったきっかけを教えてください。
5年位前に地上部の環境測定装置を導入したあたりでしょうか。
比較的市街地ということもあり、圃場が点在しており離れているんですよ。
そのため圃場によっても土の質も水分の持ちも全然違いますので自分の感覚に頼るしかありませんでした。

土の中は、数値ではどうなっているんだろう?と思いモニタリング装置を導入することにしました。入れてみて自分の眼だけではわからない部分が可視化されたことで、わかることもあったり、もともとの感覚と合致する部分もあったりと良かったです。

ただ、潅水については勘に頼る部分も大きく、引き続き時間がかかっていました。

 

―潅水に時間がかかっていたという点について詳しく教えてください。
1日当たり1時間半くらいはかかっていました。圃場が離れており、ハウスだけで3か所、露地もありますので回るだけでも結構大変で。また、手動でポンプを回していたのと、棟ごとにも量を変えたりしていたので水やりについてはホント、1日仕事でしたね。

というのも棟ごとはもちろん、毎日樹勢を見て微妙に量を調節したり、水漏れやかけすぎなど注意しないといけませんので現場に張り付いてやっていました。微妙な量の調整については、まぁ感覚なんですけど…

 

―タイマー潅水などに頼らずあえて細かく自分で管理していたのはなぜでしょうか。
祖父の影響が大きかったですね。

祖父に農業のいろはを教わってたのですが『土観て、天候観て、樹観て、気ぃつけてやれ』とずっと言われていたので、ちゃんと見てあげないけないなと思うようになったんでしょうね。土観て、天候観て、樹観て…毎日やってました。

―ゼロアグリを導入しようと決意されたのはどの部分でしょうか。
(ゼロアグリが出来るという機能や特徴を聞いてみて)自分の人件費考えたら安いな。と思いました(笑)

潅水にかけてた自分の時間を他に回すほうが樹の管理をしっかりできるし、他の人に指示できますし、ゼロアグリが自分が思っている潅水施肥を本当にやってくれるとしたら、自分の人件費が浮くな。と思いまして。

―導入してみてのご感想は。
めちゃめちゃ楽や!てなりましたね。水分をちょうどいい量をやってくれているんだろうなというのは樹を見てても感じました。

はじめる前は、これまで潅水チューブでやってましたので点滴チューブで足りるのか?などの不安はありました。水ナスは時期によってはすごく水を欲しがるんですよ。特に暑くなってきたころは通路に水がたまるくらいにあげていました。

ですので、こんな細いチューブで足りるのか?とも思ったのですが、実際は自分が思う湿り具合になってましたし、樹を観てても特に問題ないですしある程度任せてもいいなと思えました。

 

―苦労されてるところも聞きたいです。
肥料の加減はまだ難しいです。肥料濃度を自分で調整するのですが、やりすぎてるのか、少ないのかの感覚をつかむのは樹を観ながら判断していましたので難しかったです。実が生っている量とか観てこれでいけるのかな?でも樹勢あがってこないしな…という試行錯誤しながらですね。

今まで通りのやり方で慣れているところもあって、ゼロアグリのやり方に慣れるのに少し時間がかかりました。

というのも、ゼロアグリは1回の潅水で一気に肥料をやらないですよね。今までは1回の潅水でこの量をやろうと計算して10kgとか一気にやっていました。ですので、この期間にこれくらいの量をやったというのはわかりやすいわけです。
また、この期間にピンポイントで肥料を利かせたいと思ったときは自身で肥料をブレンドして入れ替えてやっていました。そういうやり方をしていた半面、ゼロアグリは毎日少しずつやっていくので今までの感覚と違うので不安でした。この加減をうまく出来ればもっと収量があがりそうな気はします。

三浦農園公式Instagramアカウントより

―最後にひとこと

今後も最先端の技術はどんどん取り入れたいと思ってます。農業をしている若い子たちはもちろん、まだ農業を始めようとしている若い子たちにも、農業ってかっこいいなと思ってもらえるようにしたいという想いはあります。ITとか最先端の技術を駆使してるというのを魅せてその子たちに伝えていきたいです。

加えて、実際メリットもありまして。新しいこと導入したらいろんな人が見に来てくれるし、接点が増えるわけです。

それを嫌がる人もいるのですが、私は接点が増えたらいろんな情報が入ってくるし、こんないい話があるよ。と教えてもらえたりもしますので前向きに捉えています。新しいこと始めるのは勇気いりますし、初期投資も気になるのは事実ですが私は挑戦していきたいですね。

 

―ご協力ありがとうございました

■三浦農園HP

「農園の取り組み」のページでは、ゼロアグリもご紹介いただいています!

https://www.miurafarm.net/

 

■三浦農園instagram

https://www.instagram.com/miurafarm3272/

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