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山城様(沖縄県糸満市・キュウリ)|「台風の時にゼロアグリに助けられた」、96%の作業時間の低減と安定栽培を実現し更なる経営規模拡大へ

所 在 地:沖縄県糸満市

ゼロアグリ導入作物:キュウリ

ゼロアグリ導入規模: 66a(うちゼロアグリ導入区15a)

経営体:山城さん+従業員(特定技能外国人)3名

ー自己紹介をお願いします!!

 

糸満市でキュウリを育てている山城といいます。糸満市はキュウリの産地で、県内でも生産量1位を誇ります。僕自身も、圃場を5ヶ所持っており、特定技能外国人の方にも働いてもらいながら栽培をやっています。

ゼロアグリを導入したのは2022年10月からで、ちょうど2作目が終わったところです(取材時2023年12月)。

 

 

ーゼロアグリを入れたきっかけを教えてください。

 

元々潅水も施肥も手動でやっていたのですが、キュウリを安定して栽培するためには、適切な量の水や肥料を欠かさず与える必要があり、圃場が5ヶ所に分かれている中で、毎日早朝からハウスを回らなければならず、常に時間に追われていました。移動だけでも往復5-10分程度は要しており、さらに時間的な制約により1日1回しか潅水もできていませんでした。

 

潅水量や施肥量も生育に合わせた適切な判断が必要なため、経験の浅い従業員にも任せられず困っていたのですが、そんな時、JAの栽培指導員からゼロアグリの話を聞きました。

 

ー話を聞いた時どう思いましたか?

 

土壌の状態や天気予測から適切な水や肥料の量を判断し、与えてくれると聞いても、私がこれまでやってきたことをシステムで再現できるのか、最初は半信半疑でした。でも、沖縄県からの導入費補助もあったこともあり、少しでも作業が楽になるであればという思いで導入を決めました。

 

ー補助はどのようなものを活用されたんでしょうか?

 

沖縄県単独のJAが主体となっている事業で、ゼロアグリの導入区と慣行区の収量や作業時間を比較検証するという目的もありました。

 

 

ー実際ゼロアグリを入れてみてどうでしたか?

 

 

導入前までは、キュウリの状態を見ながら手作業で経験や勘を頼りに潅水をやっていたのですが、ゼロアグリのAIが土壌水分量や日射量に応じて潅水量を調整するため、潅水作業に要する時間がほぼ0になりました。導入前後の時間でいうと、96%の削減です。

また、本来理想である少量多潅水が行えるようになりました。

 

ー施肥面においては、ゼロアグリ導入前後で変化はありましたか?

 

導入前は手動で週1回施肥を行なっていたのですが、液肥の準備や散布作業で非常に時間を要しており、さらに人手不足もあり追肥作業が遅れてキュウリの生育に支障が出ていました。

それがゼロアグリを入れて、液肥タンクに半月に1回ほど液肥を準備するのみで済むようになったため、本来理想の施肥回数を手間をかけず実施できるようになりました。体感的に1番この面が効果を感じています。また、LINEでフィルターの清掃や液肥切れのお知らせもあり、とても助かっています。

 

ー収量面での効果はありましたでしょうか?

 

2023年度は、台風の影響により例年より収穫期間が短かったため単純な量の比較はできなかったのですが、慣行区とゼロアグリ実証区で明らかに樹勢が違うことを感じました。

慣行区 9/26定植 10/25撮影
ゼロアグリ実証区 9/26定植 10/25撮影

定植後の根の活着が早く、樹の状態や葉の色も良いです。また、摘心後の新芽成長が慣行区に比べて早いため、成長のばらつきが少なく、栽培管理もしやすくなっています。

 

 

ー沖縄だと高い気温や台風など気候的に課題もあると思いますが、ゼロアグリを活用して課題解決につながると思いますか?

 

2023年の8月に来た台風6号の際に、ゼロアグリに助けられました。植え付けから間もない時期だったんですが、慣行区では、僕が行けない間当然水も肥料も供給できないまま。一方ゼロアグリを入れたハウスでは停電した2、3日を除いて水と液肥が流れていました。何もできなかったハウスと比べてダメージからの復活や成長も早く、だいたいですが収穫量も60%ほど多く、被害が少なく済みました。

 

また、気温が高いこともあり、どうしても病気や虫の発生がしやすいという課題があるのですが、ゼロアグリを入れたハウスの樹は丈夫なのか蔓延することなく早めの対処ができるため、農薬散布や消毒の回数が減りました。

ーサポート面についてどう感じますか?

 

管理画面はサポート担当の方も遠隔で閲覧が可能なため、使い方に迷った時など、チャットや電話でのやりとりもスムーズにできます。

また、定期的に現地にも来てくださるのでそれも安心できます。

 

ー今回の実証結果をJAさんはどのように考えられてますでしょうか?(JA担当者様のコメント)

 

近年の資材や人件費の高騰を受け、施設導入コストが上がっており経営規模拡大がなかなかしづらい中で、現状の施設を活かしいかに反収を上げて所得向上につなげていくかという考え方への切り替えが必要です。

今回園芸拠点産地拡大事業で導入したゼロアグリは、「AIによる少量潅水や自動施肥管理による収量向上」「大幅な作業時間の短縮」が可能になったかと思います。ひいては農家の所得向上を図りつつ農業への人手不足から生じる作業負担軽減や市・県全体の生産量の増加になっていく可能性のあるものだと感じています。今後は、AIのデータ管理をうまく活用して、夏場の病気・虫対策の徹底に行い年間を通じて収量増加を目指し、所得向上に取り組んでほしいと思っています。

 

 

ー今後の展望を教えてください。

 

導入当初はハウス2棟のみでゼロアグリを活用していたのですが、現在4棟まで拡大しています。また、ゼロアグリ導入によって生まれた時間と体力的・精神的な余裕を使い、露地でのキャベツ栽培も開始しました。

 

2024年にはメインの圃場の残り5棟にも導入を予定しており、メイン圃場すべての水と肥料の供給をゼロアグリに任せられれば、もっとしっかり品質管理に時間を割くことができます。適切な管理をすることで病気や虫の発生を最小限にし、収穫量を増やしていきたいです。ハウスの自動巻き上げ、CO2導入など、地上部の制御も今後考えていく予定です。

 

ゆくゆくは規模拡大も見据えています。まだまだ使いこなせていない機能もあるので、勉強しながら進めていこうと思います。

 

 

ーありがとうございました!

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