所在地:福岡県福岡市
栽培作物:イチゴ(あまおう)
規模:農場全体25a(うちゼロアグリ導入面積12a)
経営体:石田様+パートさん6名(収穫、パック詰)
ー自己紹介をお願いします!
今年就農して16年目になります。元々は関東でサラリーマンをしていたのですが、30代の頃に父の地元であったここ福岡に移って、農業を始めました。
周りの人たちが色々教えてくれたので、大きな失敗はしていませんが、1年目は赤字で、サラリーマン時代の蓄えから切り崩したりもして、苦労をしました。
今はおかげさまで軌道にのって、ゼロアグリのような機械もいれさせてもらって感謝しています。
ーゼロアグリをいれることになったきっかけを教えてください。
いれるきっかけは、福岡市の実証実験があって、それに手を上げたことです。最初はリースでいれさせてもらって、1年間リースで使って、そのあと買い取り継続して使っています。
いちごは1週間くらい水管理を怠るだけで、1ヶ月後の収量に大きく影響するので、水管理についてはとても重要だと認識していましたが、繁忙期になるとどうしても手が回らなくなるのが課題でした。
ーいまゼロアグリはいれて何シーズン目ですか?
いま3シーズン目ですね。毎年少しずつ使いこなせるようにはなってきていますが、最初は正直怖くて触れなかったですね(笑)
ーゼロアグリをどのように使っていますか?
3aごとに系統を分けていて、合計で4系統12aの面積で使っています。管理している圃場全体でいうと、25aあるんですが、他の圃場は少し離れたところにあるので、そこは自作のタイマー潅水でやっています。
ゼロアグリは通常1時間ごとに少量多潅水をやってくれると思いますが、あまり良い点滴チューブを使っていないのと自分で設置したこともあり、潅水を多くしすぎると水が漏れ、周辺の畝が水で濡れすぎてしまうという課題があります。なので、今は1日3回、7,10,13時に潅水をしています。
ー導入して効果はありましたか?
いれて収量は確実に上がりました。年によって気候も違うので一概に比較はできませんが、2割近くは上がったんじゃないかと思います。なのでゼロアグリの金額分くらいは回収できてますね。品質は、玉太りが悪くなってしまう比率が少なくなったのではと思います。花がついてからこれくらいの大きさになるな、というのは何となくわかりますが、環境要因によって、思ったほど大きくならなかったということがよくあります。そういうのがなくなりました。
また、収穫やパック詰はパートさんにやってもらっていますが、それ以外の栽培管理周りは僕1人でやっているのもあり、ゼロアグリをいれて水やりの心配をしなくてよくなったことに関して、間違いなく1つ不安要素がなくなりました。実際省力化にも繋がっていると思います。
タイマー潅水だと、機械が壊れていても気づかず、水が出ていなかったということが時たまあるのですが、ゼロアグリの場合だとエラーが起きるとお知らせをしてくれるので、それも助かっています。
ーゼロアグリの管理画面はどれくらい見ていますか?
水分調整は頻繁にはやりませんが、どれくらい水をあげているのか、というのは毎日チェックをしています。
ー施肥管理はどのようにやられていますか?
ゼロアグリの土壌センサーで計測したECを見てはいますが、ECが減ってからだと遅いのと、栽培期間中はある程度は施肥した方が良いと思っているので、毎日同じ量の施肥をやるように設定しています。ただ潅水量がちょくちょく変わるので、それに合わせて濃度は変えています。
潅水量に対し一定の濃度でずっとやるのが良いのか、それとも施肥量を一定に保つのが良いのか、どっちがいちごにとって良いのかは1度試してみたいですけどね。
液肥は、「いちごのしずく」といういちご専用の肥料を使っています。比較的この地域だと使われている肥料なんですが、この肥料を使ってから、比較的いちごの調子も良いですね。
ー今後のゼロアグリに期待することを教えてください。
自動潅水という観点だと、ゼロアグリは1番の性能だと思っています。
僕が入っている福岡市の部会でも、未だに潅水は手潅水でやっている人も多くいます。そういう方達こそ、ゼロアグリを使うとメリットがあると思いますが、本体価格がもう少し安くなったら(笑)普及ももっとしていくんじゃないですかね。
ー今後の取り組みたいことがあれば教えてください。
環境制御機器としては、ゼロアグリ以外にも10年前に誠和さんのプロファインダーをいれて使っています。こういった環境制御機器のデータを使って、栽培データを他の生産者の方とも持ち寄って、何が良いのかという話で情報交換できると嬉しいですね。
どうしても自分の圃場で色々試してみるのはリスクもあるし、検証するまで時間もかかります。そういう意味で、同じゼロアグリを使っているいちご生産者さんと、ゼロアグリをどういう風に使っているのか、ディスカッションできると面白いと思います。