中條農園 中條 様

省力化データ活用品質UP収量UP

繊細な水管理(少量多潅水)をAIを活用することで実現

所 在 地:群馬県沼田市
ゼロアグリ導入作物:パプリカ
ゼロアグリ導入規模: 30a

群馬県沼田市でパプリカを栽培する中條農園さんにインタビューを実施いたしました。就農は14年前。当時沼田地域で誰もやっていなかったパプリカ栽培を最初に手掛け、今では一大産地までになっております。

軽石土壌を活かして育てられた甘くて大きなパプリカは、NHKの食材紹介番組「うまいッ!」で取材されるなど、全国的にも人気が高いです。

そんな中條さんがゼロアグリを入れた理由、そしてパプリカ栽培における想いを語っていただいております。

―中條さんが農業を始めたきっかけについて教えてください。

元々農家の家に生まれているんですが、実家は継がせてもらえず、結婚した相手も農家ではなく。結婚してしばらく専業主婦をやっていました。

で、あるとき家を建てようという話になって。そうすると旦那の収入だけではやっていけないので、パートに出ようと思ったんですが、当時子供が2人いたので子供が病気になったらパートを休まないといけない。そんな風に働いても何のために働いているか分からなくなってしまうと思いました。それで、たまたまパプリカ部会を立ち上げるという話があって、じゃあ自分が経営者としてやってみようと思ったのがきっかけです。

―すごい決断力ですね。

元々農業の4年制の大学を卒業しているので、農業に関する知識が全くないという訳ではなかったんですよね。ただ、パプリカに関しては全く育てたことがなかったので、そこに関しては0からの勉強でした。他のところに視察行ったりというところから、最初始めました。

ハウス内の様子

―いまのハウスの特徴は何かありますか?

4年前の大雪、一晩で1メートル20センチ降ったのですが、その大雪に耐えた作りと同じ作りのハウスです。25ミリのパプリカハウスの中に、50ミリのパイプが1間おきに入っています。だから、ここでは屋根を外さないで、1年中屋根を張りっぱなしでいることができます。

―パプリカ栽培の難しさというのはどういうところにあるのですか?

トマトなど多く栽培されている作物に比べ、栽培のマニュアルが存在しません。そんな中、自己流でやってきたのですが、それが正解なのかそうじゃないのか、分からないままやっていました。長年栽培しながら分かったのが、パプリカはとても繊細な作物ということです。繊細なだけに、ストライクゾーンがとても狭い作物です。そんなパプリカを、なかなか制御しにくい環境の中でどう栽培していくか、というのが難しさですね。

ゼロアグリの管理画面

―ゼロアグリを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

たまたまゼロアグリの勉強会が群馬県であると聞いて、興味があって参加しました。ぶっちゃけ最初は、「別に今も問題なく栽培できてるし良いじゃん」という気持ちも半分くらいありました。でも、実際に導入してみて、ゼロアグリに教えてもらうことがいっぱいあって。潅水の回数とか時間とか、「はあ~こんなもんなんだ」って。今年夏(2018年当時)暑かったじゃないですか。それで潅水の回数については、特に学ぶものがありましたね。なんで、ゼロアグリを入れている10aのハウスの他に2箇所圃場があるんですが、そこもゼロアグリを見習って、できるだけ潅水を小まめにやるようにしています。

―暑さの影響でパプリカがうまく育たないこともあるのでしょうか?

そうですね。明らかに丈や実の大きさや硬さ、根張りが違います。きちんと考えない潅水をしていると、それが直に作物に返ってきますよね。

―潅水装置も色々あると思うのですが、ゼロアグリに決めた決め手はなんだったのでしょうか?

土から上の環境を測定するものって今いくらでも出ているじゃないですか。でも私としては、水が大事だなってずっと思っていたので。そこを管理しながら自動で潅水してくれるものってなかったんですよね。なので、出会ってからは割と即決でしたね(笑)

―導入して、実際作物の状態や収量はどうですか?

まず、サポート担当の五十嵐さんも驚いてたけど、(花が)とんでません。パプリカって普通休むんですよ。2段ついたら2段休むとか、3段ついたら2、3段休むとか。ご覧の通り全く休んでなくて、怖いです、逆に(笑)で、疲れってどっかで絶対出るんですよね。その疲れがほぼ出てないですよね。かつ実の形もとても良いので、素晴らしいですね。

―基本的にはゼロアグリにお任せで潅水をしているような形ですか?

基本的には任せっきりで、パソコンの画面とパプリカの状態を見て、これで良いのかという最終的な判断は自分でしています。ゼロアグリに全部任せて知らんぷりではなく、一応ちゃんと目視で確認しながらやっています。

ゼロアグリのデータはいつも出勤前に1度チェックしています。

―省力化効果はありましたか?

潅水する人が1人増えたっていうような感覚ですね。忙しさがピークの時は学生の子に手伝いに来ていただくこともあるんですが、基本的には1人でやっているので。圃場が3か所に分かれているので、特に夏場の水を必要とするときの潅水の労力は課題でした。1か所でもゼロアグリにお任せすることができるので、かなりの労働力削減になっていると思います。

 

―今後取り組みたいことは何かありますか?

国産のパプリカの生産量がもっと増えてほしいなって思っています。基本的に栽培が難しい品目なので、それを成功させる近道は実はゼロアグリなんじゃないかと使ってみて思ったんですよね。なので、これから新しくパプリカを始める人が、割と近道で成功できるのではないかと期待しています。

―最後に、こういったITを活用しようとしている生産者の方にメッセージがあればお願いいたします。

うーん(笑)まあ、さっきと同じことになりますけど、まず水でしょ、というのが私の中にあるんですよ。なのでゼロアグリ入れる前も、当初からドリップチューブで潅水しているんですね。で、その進化系がゼロアグリだと思っています。まだまだ地域的には、水色のホースで水をやっている人も多いですが、「どこにお金をかけるか」「どこでお金をとるか」という判断、損得勘定というのをもっと長い目でやれたら良いのではと思います。

きちんと使いこなせれば、絶対品質が上がります。収量も上がります。そういう見方で考えていただきたいですね。―ありがとうございました!