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A-Noker安東様(佐賀県太良町・アスパラガス)|スマート農業の活用でアスパラ栽培のパッケージ化を目指す、土地の恵みを生かした甘くて瑞々しいアスパラ栽培の秘訣

所 在 地:佐賀県太良町

栽培作物:アスパラガス

規    模:畑面積 1.5h   ハウス面積45a

経 営 体:法人/4名(繁忙期6名)名

ー自己紹介をお願いします!

A-Nokerの安東です。20代のころは大阪でサラリーマンをしていたのですが、30代のころにいつかは帰りたい、と思っていた九州で農業をやろうと決めて、2013年にここ佐賀県太良町でアスパラ農園を始めました。

太良町は有明海に面しているのですが、多良岳を中心になだらかな傾斜のある地形で、どこからでも海が見えることができ、自然豊かな素晴らしい場所です。農業では、温暖な気候を活かした「太良みかん」や、「竹崎蟹・牡蠣、有明海苔」といった有明海を代表する海産物も有名です。

A-Nokerのアスパラは、そんな太良の魅力を最大限活かし、栽培を行っています。肥料はすべて有機肥料で、太良でとれた牡蠣や蟹の殻を肥料化したものを混ぜて土作りを行っています。アスパラは土の中に広く根をはる作物なので、大量の水を必要とするのですが、その水も太良のミネラルを多く含んだ水を使って栽培をしています。

いま売り先は、ポケマルさんや食べチョクさんといった直販や、東京の飲食店、百貨店にも卸しています。コロナ禍で飲食店にも影響がある中で、厳しい部分もありますが、「美味しい」と言ってくださる方の声を力に変えて、頑張っています。

安東様 ハウス

ーアスパラ栽培の特徴を教えてください。

アスパラは、先ほどもお伝えした通り、土の中に広く根を張る作物です。横幅で言うと2メートル幅くらいの根を張っているので、その根がきちんと水分と養分を吸えるよう、広範囲に、かつ多くの水を与える必要があります。

冬の間に根にたくさん栄養を蓄えて、春先に土の上にポコポコと若芽が出てきます。収穫時期は春と夏の2回ですが、春のアスパラの方がより甘味や旨味が強いと言われています。

また、1度植えると10年ほど同じ根で栽培が可能で、年数が経てば経つほど、根が安定をして収穫量も安定してとれるようになります。

ーいまゼロアグリをいれて何年目ですか?

いま導入をして、3作目になります。ゼロアグリは、4Hクラブ(全国農業青年クラブ)という農業の若手が集まる会で、ルートレックさんと出会ったのがきっかけで、導入をすることになりました。

当時新しいハウスを作って、そこにゼロアグリや収穫ロボットをいれて、超省力化ハウスを作る計画があり、そこに導入をしました。

ー実際いれてどうですか?

実はあまりゼロアグリのセンサーを使った自動潅水機能は使っていないのですが、いわゆるタイマー潅水的な使い方で、朝と夕方にしっかり水をあげています。ゼロアグリを使っていないエリアに関しては、散水チューブで、1日1回、朝に20分ほど水をかけています。

特に春先は多くの水をあげることで、根を起こす必要があり、いまの時期、1日で大体2,3トン/反の水をやっています。

1年目は散水チューブのエリアの方がよく育ったのですが、2年目以降は、ゼロアグリのエリアの方が成品率が上がりました。特に夏場の成品率は安定しているな、と感じています。ゼロアグリの場合、点滴で細かく潅水をすることにより、常に土の中に水がある状態で、アスパラが肥料を吸いやすいというメリットがあって、その分アスパラの品質に良い影響を与えるんだと思います。

ただ点滴だとどうしても土が乾燥しやすいので、スリップス(ネギアザミウマ)が寄ってきやすいという欠点はあります。

点滴チューブで栽培するアスパラ

ー肥料はどのようにやられていますか?

有機肥料のみ使っています。

手作りで作った堆肥や固形肥料の他、ゼロアグリのエリアは点滴で有機肥料を流しています。ただ固形なので、どうしても詰まりやすく、そこは苦労しながらやっています。

ー省力化の観点だとどうでしょうか?

いまゼロアグリをいれているハウスは、散水でやっているエリアも含みますが、全部で8反あって、一畝あたり互い違いに2列でアスパラを植えています。そこのエリアは基本的に2人で回しています。

ーアスパラ栽培におけるゼロアグリへの改善要望はありますか?

アスパラはより水を必要とするということもあり、いま使っているゼロアグリだと対応面積が少なく(ゼロアグリ2500の3系統で5a分位)、少し導入費用に対する効果が見合わないような気がしています。アスパラの場合、精緻な潅水制御は必要なく、高機能でなくて良いので、もう少し安くなると、もっと活用がしやすいと思っています。

また、先ほどもお伝えした通り、アスパラは広範囲に根が張るということもあり、その範囲にきちんと水をかけてあげたいという思いはあります。その方が土の中の全体の肥料を溶かして根に行き届かせることができます。そういう意味だと土耕で栽培するのであれば、散水チューブの方が相性は良いですね。

ただし今アスパラの高設栽培の取り組みも増えてきていて、高設栽培(60センチ、もしくは80センチ幅のベンチ)であれば点滴チューブで十分対応ができると思います。

散水チューブで栽培するアスパラ

ー安東さんは新しいことにたくさんチャレンジしている印象ですが、ゼロアグリ以外にどんなサービスを利用していますか?

販売面ではポケマル、食べチョクを使っていますし、

生産面では、inahoさんの自動収穫ロボットを活用しています。

あと、ゼロアグリ以外にも、sensproutさんやみどりクラウドさんなど、省力化や見える化に活用できるツールはどんどん使っていきたいと思っています。

また、労働力という観点では、おてつたびやタイミーなどのサービスも使って人を募集しています。そういったサービスを通して働きに来てくれて、太良の町を好きになってもらえるのは嬉しいですね。

 

ー今後の展望について教えてください!

今アスパラ栽培に関しては、いろんなことにチャレンジをしています。

今年度でちょうど終わりますが、オーストラリアのクイーンズランド州でアスパラの実証栽培もしていました。向こうは、農薬の垂れ流しが禁止されているので、コンクリートの上でポット栽培みたいな形でやっていて、どのやり方が1番うまくいくのか、というのを実証していました。肥料もマンゴー等を使って現地で発酵させたものを使ったり、色々試してはいたのですが、昨年からコロナの影響で、ほとんど行けずじまいなので残念です。

今後自分の栽培手法をパッケージ化して広げていくような取り組みにもチャレンジしていきたいです。

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